牛窓五つの島

牛窓五つの島

ツアー参加のみなさんがお楽しみいただくロケーションについて、こちらのコーナーで少しだけ紹介しています。

漕ぎ進むルートは?

トレイル体験ツアーで使用するシーカヤックは手漕ぎの小さなボートです。ツアーはむき出しの自然を最小限の道具と人力だけで楽しむアクティビティーですので、どうしても風向きや潮流など、その日の環境に左右されてしまいます。どこをどう進むのか、漕ぎ進むルートにつきましては事前に決めず、海象や参加者みなさんの状況などを考慮し、その日、その時にベストと思えるルートを毎回ガイドが考え抜いて決めています。ルート決定時は、風向きや風速、潮流などの客観的数値情報に加え、風の感じとか光の具合とか海の色とか、胸いっぱい空気を吸い込んだときの感じとか、そんなかなり抽象的なことも大切にしています。
自然の力を利用して海上をその日の気分やお天気で気ままに漂う楽しさは、この島々の大きな魅力の一つであり、この島々を私たちがガイドするに至った理由のひとつでもあります。
メインガイドが初めてこの海にパドルを入れたのが1987年。その時に感じた心地よさや楽しさは30年経った今も褪せることなく島々から感じ取れます。すべての魅力を短い時間で感じていただくのは難しいと思いますが、この島々のどれかを使ってその日のBEST OF USHIMADOをお楽しみいただけるようご案内いたします。

コースの要望はできる?

「ここに行ってみたい!」などのご要望があれば、ツアー開始前、ツアー中に関わらず遠慮無く声をかけてください。すべてにお応えすることは難しいですが、お客様のご要望は最大限反映させていただきます。また、ツアー中にガイドが「もうちょっと漕げそうですか?」「あっち行ってみますか?」などと声をかけさせていただくことも多々あります。そんな時は「もうちょっとゆっくりだったら行けそう!」「行きたいけど腕がパンパン!」などその時の状況を率直にお答えください。色々相談しながらカヤックを進めて行くのもツアーの楽しみのひとつです。

前島(別名:緑島)

牛窓にある5つの島の中では一番大きく、唯一定期船が就航しています。西側に民家がかたまっていて、東側は、森林と畑があるだけです。トレイル体験ツアーでカヤックのベースとなる島がこの前島です。すべてのツアー、集合場所は前島御堂港の「フェリー発着場待合室」になりますので、お客様には所要約5分の前島フェリーで島への渡航をお願いしています。

島情報

2018年3月現在、島の人口は130ほど。宿が6軒とキャンプ場と喫茶店が1軒ずつ、生産物直売所が1ヶ所とフェリー乗り場に焼きそば屋台と冬季営業の牡蠣小屋があります。ほかには清涼飲料水の自販機がフェリー乗り場に2台あります。また、修学旅行生の受け入れなどを行っている大きな研修センターが1軒と島外の学校法人の研修宿泊施設が2軒あります。こう書くと結構色々ありそうに感じる方もいらっしゃるみたいですが、基本的には何にもないと思って訪れていただいた方が良いと思います。

島をほぼ1周する道路が1本通っていて、単純に回るだけであれば車で約20分、自転車だと1時間30分ぐらいです。島の中央付近の小山のてっぺんには展望台(標高136.5m)があり、展望台のたもとには大阪城築城残石群という史跡があります。眺望抜群で、四国の山並みまでスカッと見渡せます。空気が澄んでいると淡路島まで望めますので島内散策の際には、ぜひ尋ねてみてください。フェリー乗り場のレンタサイクルを利用されると「気分良し」ですが、展望台を含め1周するにも結構なアップダウンがあります。日頃、自転車に乗り慣れていない方は、迷わず電動アシスト付きをレンタルしましょう!!(ママチャリ借りてヒーヒー漕がれている姿をよーく目にします。)島では毎年2月の第1日曜に「日本のエーゲ海マラソン」が開催されます。一番長いコースでも島1周の10kmですが、全行程ほぼ海を眺めながら走れるので、参加者は年々増えています。

ツアーでは・・・

沿岸周囲約10kmです。カヤックで1周するのに約3時間(経験者の場合)ですが、本土との間の一番狭い「唐琴の瀬戸」は、この辺りでは一番潮の速いところですので気をつけなければなりません。距離は大したことありませんがイキザカリ(潮が一番速い時)ではゴォーゴォー音を立ててまるで川のように流れます。狭い海峡では、動力船にも注意しなければなりません。小型の貨物船も時折り通ります。船本体に加えて海峡内では曳き波にも要注意です。
この島の南にあるSUN BEACHキャンプ場がすべてのツアーのスタート地点になります。(風向きやその日の状況により別の場所からのスタートとなることもあります。)こぢんまりしたビーチですがサントリーオールフリーのCMロケ地になったこともある、なかなか心地の良いビーチです。

こちらでも情報を

黄島

黄島は牛窓の島の中では前島の次に大きな島です。民間団体が所有していて関係者以外が中に勝手に立ち入ることはできません。一般向けの定期船はありませんが、北側に結構立派な港があり、所有団体が専用の定期船を走らせています。

ツアーでは・・・

沿岸周囲約4kmです。この島の南側を行くと小豆島がど-んと視界に入ってきまて、夏空の下では開放感に満ちた素晴らしい景観が広がります。また南側は、複雑で入り組んだ海岸線を持っているので、小さな入り江にカヤックをつけて、岩場を散策したりすると面白いです。条件がよければ黄島灯台のたもとでお昼寝ができます。一方、数カ所ある突き出た鼻の先では潮波に注意が必要です。凪いでいる時でも潮時によっては、底から湧き上がるような三角波が打ち寄せています。潮が速いと吸い込まれていきますので状況を良く見て漕ぎ進みましょう。

青島

青島は、東西に細長い島です。民間団体が所有していて関係者以外が中に勝手に立ち入ることはできません。

ツアーでは・・・

沿岸周囲約2.5kmです。海岸線はほとんどが岩場で、砂浜は2カ所ほどしかなく、残りはすべてゴロタ石の浜です。ちょっと絶海に浮かぶ小島のような様相を呈していて、特に南東側を漕いでいるときにアドベンチャー気分が盛り上がります。青島の北側、前島との間の狭い海峡はスナメリ遭遇の可能性が高いポイントです。一度の発見で1時間ぐらいずーと観察できることもあります。それがどのタイミングなのか、いろんな方からよく質問されるのですが、今のところまったく分かっていません。20年近くこの海域でスナメリを見続け、ここ10年はいろんな研究者の方とも協力し本格的調査も行っていますが、判明したことはほんとにわずかです。目撃できたら大声で「ラッキー」と叫べますので、ツアー参加時にはぜひ目をこらして探してみてください。

黒島

黒島は有人島です。ごくごく少数の方が暮らしていらっしゃいます。
黒島とその西側、中の小島と端の小島は、潮が引いたとき一本のサンドバー(砂洲)でつながります。サンドバーが完全に出現してしまう前のタイミングで、ひざぐらいまで水につかりながら歩いてみると常夏の南の島に来ているような気分になります。 牛窓の表玄関に面しているためヨットやディンギー、プレジャーボートの行き交う姿がにぎやかで、これぞ牛窓という感じが味わえます。2011年にホテルリマーニさんが名前を公募して黒島サンドバーを「ヴィーナスロード」と命名しました。以前は潮干狩りシーズン以外訪れる人もほとんどなかったのですが、ヴィーナスロードとして売り出してからは、モーターボートを使った専用ツアーも実施され、たくさんの人が訪れるようになりました。

ツアーでは・・・

沿岸周囲約1.5kmです。西側の百尋礁と黒島の間には、広範囲にアマモの群生域があり、美しい浅瀬が広がっています。アマモの森は海のゆりかごと呼ばれ、たくさんの海洋生物が子育てに使います。瀬戸内海の生態系のバランスを保つ上で非常に重要な役目を担っていますので、群生域には近づかないよう注意しなければなりません。

ねずみ島

ねずみ島は、牛窓沖諸島の中でひとつだけ離れたところにあります。こんもりまん丸、無人の小さなかわいい島です。 四方岩場の島ですが、1ヶ所だけ干潮時に上陸可能な砂浜があります。

ツアーでは・・・

沿岸周囲約300mです。少し離れたところにあるのと上陸可能な時間帯が限られていますのでレギュラーのツアーで訪れることは一番少ない島ですが、たどりつくまでがかなり気持ちよいので、リピーターさんや経験のある方をよくご案内します。ねずみ島はだいたい周囲の礁とセットで回ります。上筏には灯標も設置されています。周囲は牡蠣の養殖場になっていてたくさんの牡蠣筏が浮かんでいます。筏には近付きすぎないよう注意しましょう。